決してブレない芯の強さ。揺らぐことのない料理への愛情。フランス料理界の重鎮【アラジン】の川誠也氏を簡潔に説明するなら、そんな言葉がしっくりきます。それは料理ひと皿を見るだけで十分に伝わってきます。たとえば、冬のスペシャリテのひとつ『山鳩のロース サルミソース』。山鳩のガラをプレスして絞り出した血とフォンドジビエでつくるソースは、シンプルのなかに深い旨みを凝縮。「肉ではなくソースを味わう料理」という川シェフの言葉も、付け合わせのドフィノアと味わうと、その美味しさとともに体に染み渡ります。開店から25年に渡り愛され続けるひと皿が【アラジン】が名店中の名店と呼ばれる所以を物語っています。