【木山】のもてなしは、一杯の白湯を出すところから始まる。店をつくったときに掘った井戸から汲んだまろやかな水だ。店主の木山義朗さんは、この水を使い、一組ずつ真心をこめて鰹節を削り、だしをとる。目の前で削られる鰹節の音は心地良く、温めた昆布だしと合わせて濾すと馥郁たる香りが漂う。引き立てのだしを使い、旬の食材とあわせた椀ものはこの店の華だ。顔の見える生産者から届く食材の持つ力を生かし、丁寧につくられた料理の数々も日本の季節をしっかり感じさせてくれる。〆の食事は季節の小丼、じゃこごはん、お雑炊の三種から選ぶ楽しさも。 “水”と“だし”にフォーカスした日本料理の真髄を『木山劇場』で感じることができる。