東京の郷土料理のひとつとでもある桜鍋。その鍋に欠かすことができない味噌ダレを考案したのが、吉原大門の門前に暖簾を掲げ115年になる【桜なべ 中江】です。創業当時、界隈に数十軒あったという桜鍋の専門店も現存するのはここだけ。それだけに代々受け継がれてきた名物の桜なべには並々ならぬこだわりがあります。馬肉に使うのは契約農場で飼育された純国産馬のみ。6~8歳まで育てた馬肉に限定するのは、脂の旨みをしっかりと蓄えさせるためでもあります。桜なべはロースやヒレ、霜降りなどの全5種を用意。秘伝の割り下に元祖の味噌ダレを溶かし、馬肉は煮すぎない程度に。頃合いを見て卵に潜らせてほおばれば、思わず頬が緩むことでしょう。