コンセプトに縛られず、旬の食材をいかに美味しくするか。それでいて創作にはならず、着地点はしっかりと中華。そんな料理を可能にするのは、シェフの湯浅大輔氏の確かな技術と知識があるからでしょう。【御田町桃の木】【筑紫樓】といった、さまざまな名店で修業を重ねた湯浅氏の経験と、ジャンルに囚われないスタイルはこの店の大きな魅力。その代表例ともいうべき料理が、100グラムほどとボリュームのあるフカヒレです。仕上げに油で焼き付ける一般的な手法をとらず、スープに油を乳化することで深みを出しつつ、くどさの残らない味わいに仕立てます。自由闊達な料理に中華の新しい可能性を感じることでしょう。