見事な数寄屋造りの空間、美術館クラスの器、そして美しき料理……。【本湖月】にはまさに本物と向き合える日本料理の真髄があります。店主の穴見秀夫氏は、この道50年以上になる日本料理界の重鎮。「作り手だけではなく、食べ手も本物に触れ合い成長しなければ、日本料理に未来はない」と、計り知れない時間とお金を、この店のために費やしてきました。樹齢600年の吉野檜のカウンター、尾形乾山や魯山人の器など、ほかの店ではお目にかかれないようなものが、ここではさも当然のように使われているのです。それは料理も同様。日本全国の厳選した旬の食材を使った料理は、これぞ懐石料理の本筋といわんばかり。折に触れて訪れたい一軒です。