広島市の中心部から車を30分ほど走らせた、安芸区畑賀地区。棚田が広がる里山の、車一台がやっと通れる坂道を登りきった先に一棟の納屋があります。その建物こそ広島の懐石料理の名店【花お】。この道40年になる店主の尾崎哲さんが、1日数組だけに限定し、営業する店です。そんな店の根底にあるのは、長年お茶の世界も学ぶ尾崎さんの真のもてなしの精神。「毎朝、市場で魚や野菜を目利きすることが誇り」という食材を駆使し、心を尽くした料理でお客様を迎えます。日本料理の引き算の美学が詰め込まれた料理は、店主の言葉を借りれば「素材が食べる人に訴えかけてくる味」。まさに懐石料理の真髄に触れる一軒です。