上海の裕福な家に生まれ、趣味が高じて料理人になったという故・王恵仁氏。そんな王氏が求めた美食は、見せかけの派手さではなく、食べて心も体も幸せになれるような本物の贅沢さでした。その本質は、素材の持ち味を活かす“引き算の美学”。厳選した食材そのものの魅力を引き出す料理こそが、ここ【シェフス】の真骨頂なのです。王シェフ亡き後、マダムの王のり子さんとともに、その思いが変わることはありません。ラードよりも軽い植物油の使用、日本酒での風味付けといったデリケートな調理は、素材への自信の表れ。体がすんなりと受け入れるような未知なる中華の境地を、この店では堪能できるのです。