名店が立ち並ぶ銀座一丁目界隈に、小さな木の扉。足下には、床からすっと伸びた若木のような草書体の【いづく】の文字。それは、弱冠23歳で店の料理長となった、崎楓真さんの姿そのものを表しているよう。【京都吉兆】で学んだ日本文化の美と歳時記を織り込み、食材の味を生かしたほっとできる味わいに、特注の薪台を使い生み出された薫香が加わります。目指すは「日本料理の現在語訳」。【いづく】とは、安寧の寧の本字「寍」、そしてつねに自己と対話し、考え続けてゆくという姿勢。高校生にしてミラノ万博で料理を披露するなど、類稀なる若き才能が、この地に根を張り、どんな実をつけるのか。そんな期待感がふくらむ店です。