「食べ疲れず、単調にならず、料理の余韻が長く続くこと」。東京と京都の料亭で腕を磨いた店主・高橋秀人氏は、自身が目指す料理をそう語ります。そのために考え出したのが、北海道の力強い食材と繊細な京野菜を組み合わせて仕立てる独自の茶懐石です。先附、しのぎ、造り、椀と正統派の構成で進むコースには、ホッケやシシャモといった北海道らしい食材の数々も登場。そこに透明感ある出汁、季節の野菜の甘み、火入れの妙などが加わることで、食材頼みにならない日本料理となっているのです。その滋味深いおいしさと少しだけ潜む個性は、新たな北海道の美味として胸に刻まれることでしょう。